Part 8 : 本音で語って聞いて! – Confessions of the funeral attendant –

今どきの精進落とし・・・

週末のお昼、家族でしゃぶしゃぶ屋さんに出かけました。久しぶりの外食ということもあってお店に行く道中、子供たちは「何皿たべられるかな?」などとはしゃいでいました。もちろん私もたくさんお肉を食べようと意気込んでいました。
いつもは混んでいるお店ですがお昼前に着いたお陰で、すぐ席に付くことができました。案内されたテーブルのお部屋は、まだ他のお客さんがいなかったので、まるで貸し切りのようでした。まわりに人がいないこともあり、さんざんお肉を食べながら気兼ねなくわいわい楽しんでいました。
食後を締めくくるデザートをみんなで食べていると、お店の人たちが団体客を迎え入れるための準備をはじめました。デザートを食べたらあとは帰るだけと思っていましたので、内心「ちょうど良かった」と、ホッとしていたのです。

そう思っていると黒い服を着た人たちが、ぞろぞろ部屋に入ってきたのです。よく見ると黒服に黒ネクタイ。
すぐ「お葬式の帰りだ!」と思いました。決定的だったのは、最後にお坊さんが入って来たことです。ほとんどの人が年配の方でした。その中でもわりと若そうな人が、集まった人たちの前で挨拶をはじめました。最初は法事とも受け取れたのですが、挨拶の内容を聞いているうちにお葬式が終ったあとの「食事」=「精進落とし?」であることが分かりました。主人と顔を見合わせ、同時に首を傾げました。わたし達が居るこの場所を思い起こしてみると、ここはしゃぶしゃぶ屋さん。お坊さんがいることもおかしい!?
たまらず主人に「ねえ、ここしゃぶしゃぶ屋さんよね」と、小さい声でたずねました。主人はうなずきながら「最近の精進落としは何でもありなんだな」と一言。
すぐさま首を縦に振って「そうよねえ」と相槌をうちました。精進料理といえば、穀物類を主としたベジタリアン料理のはず。ましてや肉などもってのほかでは・・・・・。

確かに今の慣わしでは皆さんの労をねぎらうことの意味合いもあるのでしょう。だからといって、あえてしゃぶしゃぶ屋さんで食事をする意味が他にあったのかと考えてしまうほどでした。
もうデザートどころではなく、帰ることすら忘れていました。帰りの車では、そのことで主人と話がはずみ、答えを導き出せない会話に疲れ果ててしまいました。それにしても、不思議な光景が目に焼きついて離れません。

文化を尊重したい主婦さんより

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