お盆 – Obon –

折り返し地点を過ぎ、一年も後半戦に突入した7月。関東甲信地方や奄美沖縄地方は、早々に梅雨が明けました。まだ梅雨真っただ中の地域も多いこの季節。今年は特に広範囲で続いている大雨により、西日本が甚大な災害にみまわれていることが気になりますが、お盆の季節も近づいてきたので今回は「お盆」を取り上げてみました。

あの世から帰ってくるご先祖様を迎えるため、仏壇を飾り、精進料理や供物でもてなし、日々の感謝を伝えながら一緒に過ごし供養する期間が「お盆」。でも、意外と知らないお盆の正式名称や由来。そして一口に「お盆」と言っても、地域によって時期や風習の違いを少しご紹介しましょう。

 

お盆の正式名称は「盂蘭盆会/うらぼんえ」。見慣れない漢字と読み方ですが、古代インドでつかわれていた言語、サンスクリット語のウラバンナ(ullambana/逆さづり)やペルシャ語のウラヴァン(uravan/霊魂)が語源と言われています(異説あり)。

お盆の由来も諸説ありますが、なかでも有名なのがこの二つ。

一つ目は、仏教に由来するお話。亡き母が餓鬼道(亡くなった後に行く六道のうちの一つ/常に飢えと渇きに苦しむ世界)で、逆さづりにされ苦しんでいると知った、お釈迦様の弟子・目連尊者。どうしたら母を救えるのかお釈迦さまに相談し、「お坊さんたちが夏の修行を終える7月15日に、多くの僧や人々に供物をささげて供養をすれば、その功徳によって救うことができるであろう。」という教えに従った結果、母は極楽往生が遂げられた、という説。

二つ目は、道教に由来するお話。仏教がインドから中国へと入ってきたとき、冥界(あの世)の王である閻魔王の概念も取り入れられました。その閻魔王が、冥界の門を開いて霊魂が下界(この世)をさまよう月が旧暦の7月、鬼月とも呼ばれています。中間にあたる時期にお供えをして霊魂を慰めるという説。(“地獄の窯が開く”という言葉も関係しているようです)

 

仏教の行事とは言い切れず、祖先崇拝の古神道や道教など様々な考えが組み合わさって、祖先の霊を供養する日本特有のお盆。

明確な起源は不明ですが、1600年代にイエズス会が編纂した【日葡辞書/日本語をポルトガル語で解説した辞書】には「bon/盆」「vrabon/盂蘭盆」という項目があり、死者のために行う祭りであると説明されているため、古くからの行事であることには違いありません。飛鳥時代に推古天皇が最初にお盆を行い、貴族や僧侶だけが行う特別行事だったともいわれています。しかし、江戸時代に入り檀家制度の確立や提灯やロウソクの量産により、一般的になったようです。

 

さて、お盆の時期はと聞かれたら、何と答えますか? 多くの方は8月13日~16日だと答えるのではないでしょうか。しかし、必ずしも8月というわけではなく、地域によって違い、大きく4つにわけることができます。

1.【7月13日~15日】

一部地域を除く東京都や、南関東の都市部、静岡の旧市街地や函館、金沢の旧市街地など

2.【8月13~15日(16日)】

一部地域を除く南関東、西日本全般と北関東以北

3.【7月31日~8月2日 または 8月1日~8月3日】

東京都小金井市、国分寺市、府中市調布市などの多摩地区の一部、岐阜県中津川市付知町、加子母など

4.【旧暦の7月13日~15日(※旧暦のため、毎年変わる)】

沖縄県、奄美など南西諸島

何故このように分かれているのでしょうか。明治以降に導入された新暦(太陽暦)カレンダーに旧暦の表示がなくなったこと、当時国民の多くが農業従事者で新暦の7月15日は繁忙期だったこと、月遅れの8月15日に固定した方がわかりやすかったこと、などと言われています。いづれにしても、感謝の心を忘れず、祖先を供養することは大切なことです。

しかし最近では、“お盆=夏休み”と思い込んでいる人があまりにも多いと感じます。お盆休みに”祖先供養をするために帰省する”という人はどのくらいいるのでしょうか?家族揃って実家に帰らず海外旅行を楽しみ、自宅にお仏壇がある人でさえ、お線香を手向けることなく日帰り旅行。信仰心は無くなっても、先祖を敬うこころは忘れて欲しくありません。

 

お盆の風習も地域や宗派によって様々ですが、一般的には、盆棚(精霊棚)の上にマコモで編まれたゴザを敷き、その上に供物を配置します。左右には盆提灯を配置して、ご先祖様が乗る牛馬をナスとキュウリで作り、精進料理で供養膳をお供え。そして水の子や素麺、団子も一緒に備えます。それぞれに意味があるので、調べたり目上に人に聞いたりしながら設えるのもいいですね。

宮城県仙台市では、他の地域に比べ盆棚が大きく、絢爛豪華。長崎では精霊流しと派手な爆竹。広島県の西部では、竹の骨組みに紙を貼った盆灯篭が夏の風物詩。岩手県の北部では、家族が亡くなって3年間、お盆の期間は3~4段に分けて立てる台に49本のロウソクを灯すそうです。また、新盆を迎えた榮絵を背負って踊る、変わった風習が残っているのは瀬戸内海に浮かぶ広島の離島。沖縄では送り火の際、「ウチカビ」と呼ばれるあの世のお金を燃やし、先祖があの世へ戻るときたくさんのお小遣いを持たせるのだそう。

 

都市部では核家族化が進み、親戚だけではなく親兄弟さえも一堂に会する機会が減ってきた昨今。お盆の時期でも集まることなく個々に過ごし、祖先に感謝することなく「夏休み」を満喫している方が激増しているように思えます。

葬儀のスタイルも急激に変わってきていますが、亡くなった後の供養の仕方も急激に変化してきました。年忌法要だけではなく、年に一度のお盆には仏壇に手を合わせ、日ごろの感謝を伝えて欲しいと願うばかりです。

 

ブログをお読みいただき有難うございます。

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